✅ あと何年たてば、建設業許可を取得することができるのだろうか?
✅ 国家資格がない以上、建設業許可をあきらめるしかないのか?
✅ 10年間もの実務経験の証明って、どうすればよいのか?
という問い合わせが増えています。
このページは、実際に、行政書士法人スマートサイドに寄せられた建設業許可取得に関するご相談のうち、専任技術者の要件である10年の実務経験に関して、お客さまからの疑問にお答えする形で記載しています。
文章を読み進めていくと、御社が建設業許可を取得するには、あと何年が必要か?建設業許可を取得するための、10年の実務経験の証明方法について、理解することができます。

専任技術者の10年の実務経験証明に関する相談の概要
建設業許可を取得する際に、専任技術者の実務経験の証明で苦戦している人も多いようです。施工管理技士などの資格を持っていれば、比較的スムーズに建設業許可を取得することも可能です。
しかし、資格は誰でも持っているわけではありませんし、資格の取得は簡単ではありません。「資格なし」「特殊な学科(建築学科など)の卒業経歴なし」ということであれば、10年の実務経験を証明しない限り建設業許可を取得することはできません。
今回は、知り合いの行政書士の先生に相談したら「10年の実務経験の証明ができないので、許可取得はあきらめてください…」と断られてしまった中村社長(仮名)のケース。
中村社長と次期社長候補の橋本さんが、2人して弊所にご相談に見えた際には、かなりの弱り果てていましたが、その理由は?
中村社長(仮名)からのご相談
相談者:中村社長(仮名)
実は、顧問税理士から紹介してもらった行政書士に相談したんですけど、全然、埒があきません。3か月以上、待たされた挙句、「建設業許可取得はあきらめてください」と言われまして!なんとかスマートサイドさんのお力をお借りして、10年の実務経験を証明して、建設業許可を取得できないでしょうか?
うちの会社は、リフォームや内装改修を行う工務店です。最近、取引先や銀行から「建設業許可を持っていないのですか?」と聞かれることも多くなってきまして。500万円以上のリフォームや内装工事は、ほとんどなくて、年に1、2件あるかないかですので、別に無理して建設業許可を取る必要はないと思っていました。
とはいえ、社長である私ひとりの意思で決断できるものでもないので、社内で役員会議をしたところ、自分も50代半ばに差し掛かり、あと何年現役で頑張れるかわからないので、次の代に迷惑かけないためにも、いまのうちに「会社まわり」のことをしっかりやっておこうと思いまして。実際、会社の大部分は、現場の社員にほとんど任せているのです。
それで、まあ、建設業許可を取得しようと思って、税理士に相談したら、知り合いの行政書士の先生を紹介してくれたわけです。その行政書士の先生が、会社に来てくれるというから、打ち合わせをしたら、その行政書士の先生が、「資格がなければ10年の実務経験の証明が必要です」「10年前の契約書とか残ってますか?」っていきなり言うわけです。
たしかに自分には建築士とかっていう国家資格はありません。だから「工事の実績」「実務の経験」を証明しないと建設業許可を取得できないっていうところまでは理解できます。しかし、いくらなんでも、小さい工事について、いちいち契約書なんて交わしていません。まわりでも、そんなことやっている会社は、ほとんどないのではないかと。しかも10年前って。それで、その行政書士の先生に、「なぜ、10年前から遡って、契約書が必要なのですか?」ってお聞きしたら、いきなり「10年以上の実務経験の証明が必要で、それができなければ許可の取得をあきらめてください」って言われたわけです。
この話は、会社の役員会議の際にも、話しました。
うちの会社は、従業員が20名程度で、それほど規模は大きくないです。しかし、小さいながらも地道に仕事を続けてきて、それこそ、まじめにコツコツと建設業をやってきたわけです。契約書とかそういうのは取ってないけど、税金の申告だってしてるし、社会保険だって法律に則って加入しています。
事業承継や代替わりの前に、せめて、建設業許可を取得したうえで、会長職に退こうと思っていたのですが、いきなり10年前の話をされても。それで、その行政書士の先生に「だったらどうすればいい?」って聞いたら「建築士や施工管理技士の資格を取るか」「今から10年、我慢してください」と。かれこれ、初回の相談から3か月以上たっているのに、それ以来、連絡も音沙汰もありません。
そこで、このことを役員会議の議題にしたところ、役員の1人がインターネットで情報収集をしてくれました。そしたら、行政書士法人スマートサイドのYouTube動画を見つけて、代表の横内先生に相談してみたらって。
本当は、もう建設業許可のことはあきらめかけていたのですけど、それだと逆に会社にも迷惑かけちゃうでしょうから、それは、まずいなと思いまして。年齢的にもこれからどんどん厳しくなっていくと思うので、次の世代に会社を継いでもらうためには、建設業許可の取得は絶対に外せないのです。
そういう思いで、建設業許可を取得したいのですが…「10年の実務経験の証明」って、スマートサイドさんにお願いすれば、できそうですか?
行政書士法人スマートサイドからのご回答
回答者:行政書士
中村社長(仮名)の心中も穏やかではありませんね。税理士さんに紹介してもらった行政書士の先生のレベルがどのくらいのものか私にはわかりかねますが、中村社長のように「地元密着で、長年、工務店を経営されている」方であれば、建設業許可取得の可能性は大いにありそうです。ここは、ぜひ、中村社長のもと、しっかりと建設業許可を取得したうえで、建設業法違反にならないような形で500万円以上の工事を受注できる体制を構築してもらいたいものです。
建設業許可を取得する際には、専任技術者という人が必要で、その専任技術者になるには「国家資格」「特殊な学科の卒業経歴+3~5年の実務経験」「10年以上の実務経験」のいずれかがなければなりません。
「国家資格」や「特殊な学科の卒業経歴」がなければ「10年以上の実務経験」を証明していくしかありません。中村社長も「国家資格」「特殊な学科の卒業経歴」がないので、「10年以上の実務経験」の証明が必須です。長年、工務店を経営されていて、事業を後任に引き継いでもらおうと考えているくらいですから、「10年以上の実務経験」を証明するための、何かしらの解決策がありそうです。
スマートサイドがご提案する解決策
まず、前に相談したという行政書士の先生の決定的な間違いは、実務経験を証明する資料は「契約書」だけではないということです。この点は、早い段階で、行政書士の先生から、明確に中村社長にお伝えするべき点でした。
実務経験の証明資料は
- 契約書
- 契約書がなければ請書
- 契約書も請書もなければ請求書+入金通帳
という順番で考えるのが鉄則です。
もちろん、どんなに小さい工事、どんなに金額の低い工事であったとしても、「契約書」を交わし「注文書・請書」を保存しておくのが理想です。しかし、中村社長のように、そこまで書類管理を徹底されていない会社は意外と多いです。そうであるにも関わらず、「建築士や施工管理技士の資格を取るか」「今から10年、我慢してください」というのは、少し乱暴な話で、中村社長がご立腹するのも無理はありません。
では、相談者の中村社長のように「契約書」や「注文書・請書」がなかったとして、「請求書+入金通帳」だったら保管していないでしょうか?弊所のお客様のなかでも「契約書」や「注文書・請書」がなかったとしても「請求書+入金通帳」なら保管してあるという方は多いです。
例えば「経理が保管していた」とか「借りてある倉庫に置きっぱなしだった」とか。稀に「金庫に大事に保管しておいた」という方もいらっしゃいました。「契約書」がない場合でも、さすがに「請求書+入金通帳」は取ってあるのではないでしょうか?
それでは、「どうしても10年前の入金通帳が見つからない」といった場合には、どうすればよいか?10年前の入金通帳が見つからない以上、建設業許可取得をあきらめなければならないのでしょうか?ここで、「許可取得をあきらめなければならない」って考えてしまうと、非常にもったいないです。
許可取得のチャンスを自ら捨てに行っているようなものです。なぜなら、仮に「入金通帳」を捨ててしまったり紛失してしまったりしても、取引先金融機関から10年さかのぼって「取引明細書」を発行してもらうことはできるからです。この点についても、前出の行政書士の先生は、中村社長にお伝えできていなかったようですね。これでは、中村社長の怒りを買うのも無理はありません。
工事請負契約書や工事の注文書や請書がなかったとしても、「請求書+入金通帳」があれば、実務経験の証明は可能ですし、仮に「入金通帳」を破棄してしまったとしても、金融機関から10年分の取引明細を発行してもらえば、その取引明細を、「入金通帳」に代わる証明資料として、使用することができるわけです。
金融機関によっては、数千円および数週間の費用と期間が必要になるかもしれませんが、もし入金通帳を紛失・破棄してしまったという場合には、取引先金融機関に「10年分の取引明細」を発行してもらってください。
以上、まとめると以下のようになります。
中村社長に国家資格があれば、実務経験の証明は不要です。国家資格がなくても「建築科や住居科」といった工事に関する特殊な学科を卒業している場合には10年の実務経験の証明を3~5年に短縮することができます。
「国家資格」がなく「特殊な学科の卒業経歴」がなかったとしても
(1)工事請負契約書
(2)注文請書
(3)請求書+入金通帳
のいずれかで、10年の実務経験を証明することができます。
仮に「工事請負契約書」も「請書」もなく「入金通帳」しかないという場合は、「請求書と入金通帳のセット」で10年の実務経験を証明します。
「入金通帳もない!残っているのは工事に関する請求書だけ!」という場合であったとしても、そこであきらめずに、金融機関に「10年分の取引明細」を発行してもらうことによって「入金通帳」の代わりにすることができます。この場合は、「請求書と取引明細のセット」で10年の実務経験を証明します。この作業を行うことによって、10年の実務経験を証明し、建設業許可を取得することは可能です。
専任技術者の10年の実務経験証明でお困りの際は…
行政書士法人スマートサイドは、10年の実務経験を証明することによって、建設業許可を取得するという手続きを大変得意としています。もちろん、国家資格や指定学科の卒業経歴があった方が、建設業許可を取得するのは、楽です。
しかし、国家資格や指定学科の卒業経歴がないからといって、建設業許可の取得をあきらめる必要はありません。長年にわたって、地道にコツコツと建設業を営んできたその実績を証明すれば良いのです。
専任技術者の10年の実務経験の証明でお困りの際は、ぜひ、下記問い合わせフォームから有料相談をお申込みください。行政書士法人スマートサイドでは、1人1人の相談者への適切な対応および相談時間の確保の見地から、1時間11,000円の有料相談を実施しています。
実際の通帳を拝見したり、工事請負契約書を持参して頂ければ、証明資料として適切か否かを判断させて頂きます。また、請求書や通帳を使って実務経験を証明するには、どのような方法で証明すればよいのか?についても、ご案内させて頂きます。
10年の実務経験でお困りの際は、ぜひ、建設業許可取得の専門家による個別の有料相談をご活用ください!