【お客さまインタビュー】藤本科学株式会社さま

お客さま情報 詳細
企業名/社長名 藤本科学(株)/藤本社長
本店所在地 東京都千代田区
許可を取得した業種 管工事業・電気工事業

今回は、理化学・産業機器の専門商社として、時代に合わせて常に進化を続けている藤本科学(株)の藤本社長にインタビューを実施させて頂きました。

国内5か所(東京、日立、水戸、筑西、川崎)、海外3か所(上海、深圳、ホーチミン)に拠点を置き、グローバルに活躍する藤本科学株式会社。弊所のお客さまの中でも、トップクラスの規模を誇り、1930年の誕生以来、仕入先は、年間7000社以上にもなるという。

初めて「管工事」の建設業許可を取得して以降、わずか1年足らずで「電気工事」の建設業許可を追加し、「電気工事業」の業者登録を実施。

お客さまへの「エフォートレスな価値の提供」を謳い、「販売」「設計・製造」「貿易」「修理・メンテナンス」など幅広く対応している藤本社長に、会社経営の秘訣を密着取材いたしました。

  • 建設業許可を取得しようと思ったきっかけ
  • 建設業許可を取得して変わったこと、良かったこと

といった「建設業許可に関すること」は、もちろんのこと、

  • 現在の主な業務内容
  • 海外に現地法人をつくった経緯
  • 会社を今後どのように発展させていきたいか

などの経営手腕に関する部分にもフォーカスして、貴重なお話をお伺いすることができました。インタビューの最後には、若い経営者や創業したての社長に向けたアドバイスも頂きましたので、ぜひ、参考にしていただければと思います。

インタビュアー:行政書士法人スマートサイド(横内)


ーまずは、建設業許可を取得しようと思った「きっかけ」を、簡単にお話しいただけますでしょうか?


元々、当社は理化学機器、いわゆる研究設備、分析装置、計測器などを売ると同時に、それらにまつわる消耗品、ビーカー、フラスコ、ピンセットを売るのが、仕事でした。

細かい消耗品をメインで扱っていた時期もあったのですが、ネット購買の普及により、価格と納期(スピード)が大事になってきました。影でさまざまな努力をしていたのですが、インターネットの影響で、「いつもお世話になっているから」というお付き合いが通用しなくなってきたのです。

そのタイミングで、どうやって数字を補填していくかが課題になり、海外に現地法人を作ることにしました。海外に現地法人を作ると、日本のお客さまが海外で「同じ工場を作りたい」となった際、「日本でも仕入れて、現地でも仕入れて、それ以外の国からも仕入れて、まとめて現地へ持っていって、据付・調整・試運転までやってください」みたいな依頼が増えてきました。そのような依頼を請けているうちに、今度は、日本国内でも「複数の工場を、まとめてどこかに集約するとか、統廃合する」とかいうことで、移設移送のお話が来るようになりました。

そうなると、「工事もやって欲しい」というお客さまからのご要望が出てきて、最初は建設業法に関してよくわからなかったのですが、「金額の上限がある」ということがわかって、曖昧にはしていられないなということと、お客さまからも、ぜひ建設業許可を取って欲しいというお話が出てきたことで、真剣に腰を上げたという事情です。

令和5年7月に管工事の建設業許可を取得後、1年足らずで、電気工事の建設業許可を追加で取得しました。元々、電気工事も必要だったのですが、「とにかく管工事の建設業許可さえあれば良いから」というお客さまのご要望を優先して管工事だけ取りました。

ところが、管工事を取ってみて、「やはり電気工事も必要だよね」っていうことになり、当時の環境から、電気工事の建設業許可を取るハードルもそれほど高くないことがわかったので、電気工事を追加で取るようにしました。


ーそれでは、建設業許可の取得を行政書士法人スマートサイドにご依頼頂いたきっかけを教えてください。


同業者には、創業100年規模の会社が多く、代々お付き合いしているような会社もありまして。実は、「こういうことで悩んでるんだ」という相談をしたところ、行政書士法人スマートサイドを、ご紹介いただいた次第です。


ー実際に、建設業許可を取得して、変わったことや良かったところはありますか?


建設業許可を取ったことで、金額の上限がなくなりました。そのおかげで「なんとかして、金額の範囲内に抑える」ということではなく、会社としても、各営業マンも、しっかり胸を張ってプライドを持って自社製品やサービスをPRができるようになりました。そういう意味では、コスト以上に大きな効果があったと思いますね。


ー会社の現在について、具体的にどういった業務をおこなっているのか?教えて頂けますでしょうか?


うちの会社のお客様は、物を作るメーカーがほとんどです。メーカーが物を作るときには、研究や開発をし、実際に物を作った後も、「製品をもっと良くしよう」とか「安全基準をこうしよう」とか、いろいろなことを「マイナーチェンジ」していきます。

そういった生産技術部門で使われるような研究設備、試験機、分析装置を仕入れて販売をしています。それらにまつわる商品、ピンセット、フラスコ、ビーカーも作っています。

従来は、それなりの注文が入ってくるので、少し甘えていた部分がありましたが、ネット購買の普及によって、非常に世知辛くなって、競争が厳しくなってきました。

そんな時代背景もあって、多くの競合他社は、「物を作る方向」に移っていきました。オリジナリティのあるものを作ることで、価格の競争にさらされない道を選んだところが多かったんですね。しかし、我々は、物を作る経験がなかったし、そこに対して思い切るという気持ちになれなかったのです。

2012年。日本企業が海外、特に中国にどんどん出てった時期。あるお客さまから「自分たちの会社はこれから中国に出ていく。今まで通りの注文が欲しいのであれば、思い切って海外でやったらどうだ。」と、お声がけを頂く機会がありました。

実際に、そのお客さまのところに行って、いくつかの工場を回ってみました。そしたら、「現地での輸入業務の煩雑さを考えると、自分たち自身が輸入することはあまりしたくない」「日本と同じように目の前まで持ってきてくれるところを大切にしていく」「ローカル企業も使うけど、日系企業であっても、とにかく目の前に持ってきてくれるところを優先する」ということを、みんな同じようにおっしゃったのです。

そういう経験も踏まえて海外に進出する決断をして、海外の売り上げを徐々に増やしていきました。日本で仕入れたものを輸出して、現地法人が売る中で、修理や較正などいろんな課題が挙がってきました。「これだけ沢山の要望・需要があるんだったら、技術力を身につけなきゃいけない」ということで技術者を採用して、現地での据付であるとかアフターフォローやメンテナンスをやれるようにしました。その後、お客さまからのさまざまなご要望に則って、特注品を作る「設計の部隊」も新たに立ち上げました。

単純に品物を右から左に売るというだけではオリジナリティがないし、藤本科学としての色を出せないということもあって、海外化を進め、技術力を身につけていきました。ホームページにも書いていますが、「技術と貿易を一番の売りにしている」そういった理化学機器の商社です。

現在、国内の営業拠点は、東京を含め、日立、水戸、筑西、川崎 の全部で5か所です。海外は上海、深圳、ホーチミンの3拠点あります。従業員は総勢67名といったとことです。


ー日本国内だけでなく、海外にも拠点が3つもあるのですね。それでは、現時点で、「御社が誇れること」は、何でしょう。


我々のような理化学の商社は、「右から左にものを売る」というところが多いです。「メーカー主導の商社」と「ユーザー主導の商社」それ以外に「問屋」という位置付けのものもあります。

我々は、どらちかというとエンドユーザーに張り付いて、エンドユーザーの要望を聞き入れていくことをメインにしています。競合には、規模が小さいところが多いので、なかなか国際化までできているところが少ないです。特に、現地法人を海外に作るっていう会社はあまりなくて、今現在、我々が海外で理化学関係で競合になりうるところはみんな上場している会社です。

そういう意味では、「上場企業では体が大きくてうまくいかない。中小企業では海外対応がうまくできない。」という構図があります。我々には「海外に拠点を持ちながら貿易を深めていき、大企業ができない小回りが利く」という持ち味があり、特殊な国際競争力を持っていると思います。

技術の分野でも、大手では、なかなか手が回らないところがありますし、技術力のない中小では、できないこともあります。そういったきめ細かい対応ができるところが藤本科学の一番の売り、もしくは、お客さまからご評価をいただいている点だと思っています。

大手は、「コンプライアンスの見地から、余計なことはするのやめようね」っていう風潮もあります。我々としては、リスクがあるものはやらない方がいいに決まっているのですが、大手と同じように「安全を見てやらない」っていうのでは勝てるわけがないです。できる道を探していくっていう意味での対応が一番必要だと思います。


ー藤本社長が代表取締役に就任した当初、苦労した点や思い出に残っている点があれば教えてください。


私が、代表取締役に就任したのは、平成6年で、ちょうど30歳になったときです。祖父の時代からいた人、父の代の人間もいました。当時は高齢化してたんです。私の上は10歳上とか、ひと回り上とかっていうような。

そういった人から見たら、30歳って子供じゃないですか。助けようとか、協力しようっていう感じはなかったですね。今思うと「潰してやろう」みたいな感じがあったものですから。

そういう意味ではやりづらいところはものすごくありました。バブルが完全に終わってはいない頃だったので、能力の有無よりも、やる気を持って頑張ってる人は数字が上がるような時代でした。

私としては、いろんなアイディアが出てくるんですが、なかなか、採用されないというか、協力者が見つけられなかったっていう意味で、ちょっとつらい時期だったなと思います。


ー若くして代表に就任するとなると、それなりの苦労があるものですね。それでは、未来に向けての「思い」があれば、お聞かせください。


理化学の業界は、産業として非常に小さいです。創業100年を超える立派な会社もいっぱいありますが、産業が小さいので、昔の古い体質が残っている部分もあります。「小さい産業の古い体質の中でやっていく」という手もありますけど、労力の割に得るものが少ない。

とすれば、今我々がやっている、海外化の方に私は目を向けたいと思います。東南アジアも、まだまだこれから良くなってくるところがあると思います。中国との関係性が、この状態で続くとも思えない。韓国、中国、台湾や東南アジアなんかの技術レベルは、まだまだ低いところもありますが、液晶テレビだったり自動車だったり、みんな輸出してたものが輸入するようになってきています。

理化学関係に関しても、そういう風になってくると思いますから、どんどん海外化を進めるっていうことを今努力してます。

「海外から輸入してくる」「日本で、そういった国々の物を売る」っていうことは絶対必要なことだと思いますし、それに伴うメンテナンスなども必要になってくると思います。やはり貿易力、国際競争力、それと技術力は強めていきたいと思いますね。サービスの部分と、技術、国際化の部分で、お金を使うことを優先したいと思います。


ーところで、御社のホームページに「お客さまのものづくり環境に、エフォートレスな価値を付加する」という言葉がありましたが、具体的にどういった理念や理想があるのか?教えて頂けますか?


我々としては、お客さまには「物を作るための研究や開拓に、専念して頂きたい」と思っています。お客さまは、物作りの仕事があるにも関わらず、例えば、「海外に出ましょう」「工場移設しましょう」ってなると、技術者の方々が、海外進出、工場移設に伴う仕事をしなきゃいけないわけです。すぐに海外で事業を始めようと思っているのに、「分析装置など何が必要か?」リストアップするのに12年かかるんです。実際には、注文もらって持って行こうっていうと、3~4年レベルの話になってくるんですね。

我々には、「必要なもの」や「最新の設備・型式」に関するリストが出来上がっているのです。それらを提案して、全部まとめて発注いただければ、我々で全部揃えますと。現地の国で使うのであれば、できるだけ現地からの購入を増やした方がいいのか、もしくは、日本のものがいいのか、お客さまのご要望をお聞きした上で、ルート・商流を決める。

それによって「お客さまが本来しなければいけない仕事」に、できるだけ時間を割いてもらう、そのために我々を使ってくださいっていうのが、「エフォートレス」を意味しています。


ー「エフォートレス」の意味が、とてもよくわかりました。ありがとうございます。それでは、最後に、建設業許可を取得しようとしている人、もしくは、若い経営者や創業したての社長へ、藤本社長からアドバイスをお願いいたします。


同じような規模の会社では、建設業許可を取得するにあたって、「初めての試みだから全部自分がわかってなきゃいけない」と思い込んで、社長ご自身が勉強して建設業許可を取っているところもあります。しかし、ものすごい時間かかっていますし、どのぐらい正確に理解できているかというと、意外とわかってなかったりもします。

そういったことも含めて、私の考え方としては、いろんな分野に長けてるわけではないので、「自分ができることは、自分でやることで効果を実感し、一方で、自分が不得手な部分については、できるだけ外部の人たちにお願いする、もしくは社内でも、それを得意とする人にお願いするという方法の方が時間的な効果を出す」と思ってます。あんまり不得手な人が頑張ることはないのになっていうふうに思います。


ーおっしゃる通りですね。すべてを自分でやろうとすると、逆に「費用対効果」が低下すると言えますね。今日は、お忙しい中、長時間にわたって、インタビューに応じて頂きありがとうございました。


こちらこそ、ありがとうございました。

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