このページは、第2種電気工事士の資格を保有している方を対象に、東京都の建設業許可(電気工事業の許可)の取得方法について、解説したページです。東京都の建設業許可を取得することを念頭に記載していますので、他県では当てはまらないケースがあることをあらかじめ、ご承知おきください。
目次 | |||
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(1) | 専任技術者についての一般論 | ||
(2) | 電気工事業の専任技術者の特殊性 | ||
(3) | 第2種電気工事士が気をつけなければならない点 | ||
(4) | 第2種電気工事士の資格での建設業許可取得実績 | ||
(5) | 第2種電気工事士の資格をお持ちの方へ |
電気工事業の建設業許可を取得するには、第1種の電気工事士がいないといけないのでしょうか?それとも、第2種電気工事士の資格を持っているひとがいれば、建設業許可を取得できるのでしょうか?
このページでは、第2種電気工事士の資格で、建設業許可を取得した弊所の実績を踏まえ、建設業許可取得の仕方について、解説いたします。
- 第2種電気工事士の資格で建設業許可を取るのは無理!
- 電気工事の実務経験を証明することができない!
- 電気工事業の「登録」と「許可」の違いが判らない!
- 第2種電気工事士の社員がいるのに、その資格を生かせていない!
ということで困っている方は、ぜひ、参考にしてみてください。建設業者さんの中にも、行政書士の先生の中にも、第2種電気工事士の資格だと、建設業許可を取得することができないと、誤解されているかたも多いみたいですので、そこのところの誤解を解いていきたいと思います。
(1)専任技術者についての一般論
まず前提として、建設業許可を取得するためには、専任技術者が必要です。専任技術者は、建設業許可要件なので、専任技術者がいなければ、建設業許可を取得することができません。この点については、すでにご存じの方も多いと思います。
専任技術者になるには、
- 10年の実務経験を証明する。
- 建築科、土木科、機械科といった特殊な学科の卒業を証明したうえで、3~5年の実務経験を証明する。
- 建築士、施工管理技士といった国家資格を取得する。
といった方法があります。これが、建設業許可を取得する際に、専任技術者の要件を証明するための一般的な理解になります。
(2)電気工事業の専任技術者の特殊性
このページの冒頭に「建設業者さんの中にも、行政書士の先生の中にも、第2種電気工事士の資格だと、建設業許可を取得することができないと、誤解されているかたが多い」と記載しましたが、この混乱の原因は、(1)で説明した「専任技術者についての一般的な理解」が電気工事業の許可には当てはまらないという点にあります。
特殊性1:無資格者の実務経験について
まず、特殊性の1として挙げられるのが、電気工事業の場合、10年の実務経験を証明しても専任技術者になることはできません。
建設業許可の29業種のうち、電気工事以外には、消防工事も10年の実務経験を証明しても専任技術者になることができません。資格を持っていない無資格者が、実務経験を10年積もうが20年積もうが、専任技術者にはなれないんです。無資格者の経験というのは、専任技術者の要件として必要な実務経験年数にはカウントされません。
例えば、内装工事の専任技術者になるのであれば、10年の内装工事の実務経験を証明すれば、何とかなります。同じく、塗装工事も、とび・土工・コンクリート工事も、10年の実務経験を証明すれば、専任技術者になることができます。
しかし、電気工事の場合、無資格者がどんなに電気工事の経験を積んでいたとしても、それは、建設業許可を取得する際に必要な専任技術者の実務経験にはカウントされないので、注意してください。
「何かしらの国家資格が必要になる」これが、電気工事の専任技術者になるための特殊性の1です。
特殊性2:免許交付後3年以上の実務経験が必要
特殊性の2つ目として挙げられるのが、「免許交付後3年以上の実務経験の証明」です。
「第1種電気工事士」や「電気工事施工管理技士」の資格を持っている方は、その資格をもっていさえすれば、電気工事業の専任技術者になることができます。しかし、第2種電気工事士の資格の場合、資格を持っているにも関わらず、「免許交付後3年以上の実務経験」の証明が必要になります。
無資格者の経験は、何年積んでも実務経験として、カウントされなかった反面、第2種電気工事士という国家資格をもっているひとに対しては、「免許取得後3年以上の実務経験を積む必要がある」というのが少し混乱してしまうところではないかと思います。
電気工事業の建設業許可を取得したいのであれば、技術者が何の国家資格を持っているのかをよく確認しなければなりません。
(3)第2種電気工事士が気をつけなければならない点
(2)の電気工事業の特殊性を前提に、第2種電気工事業の資格で建設業許可を取得する際に、気をつけなければならない点を2つ、記載いたします。
注意点その1:免許交付後3年以上経過していること
まず、御社に第2種電気工事士の資格を持っている人がいたとしても、免許交付後3年以上たっていなければ、専任技術者になることができず、建設業許可を取得することはできません。
例えば、「第2種電気工事士の資格を持っている人がいます。1年前に試験に合格しました。」という場合、免許交付後3年以上の経験を証明できないですよね。まだ1年しかたっていないので。
免許交付日がいつか?は免許証に記載があるので、さすがにこの部分をごまかすことはできません。
注意点その2:登録事業者での実務経験であること
注意点の2番目は、実務経験として証明する電気工事の実績が、違法工事ではないか?という点です。
電気工事は、電気工事業の登録をしていないとできません。これについては、電気工事業法に詳細に規定されているので、細かく知りたい方は電気工事業法の条文を参考にしてみて下しさい。
免許交付後3年以上の実務経験は、あくまでも「電気工事業の登録」をしている会社での実務経験でなければならないというのが法律の建前になっています。「長年、電気工事は行っているのですが、実は電気工事業の登録をしていませんでした」という方も多いので、証明に苦労するところです。
私個人的には、すこし申請に工夫が必要なのかなと感じる部分です。
第2種電気工事士が建設業許可を取得する際の注意点のまとめ
以上まとめると…
第2種電気工事士の資格で建設業許可を取得するには、
- 免許交付後、3年以上経過していること
- 免許交付後、「電気工事業の登録をしている会社(個人)」の下で、経験を3年以上積んでいること
- その3年間の実務期間中の常勤性を、「健康保険証」や「住民税の特別徴収額(徴収義務者用)」もしくは「確定申告書」で証明できること
の3点セットが必要になります。
(4)第2種電気工事士の資格での建設業許可取得実績
さて、以上、長々と「第2種電気工事士の資格で、東京都建設業許可しを取得するには」について、解説してきましたが、いかがでしょうか?
- これなら自分の会社でも建設業許可を取れそう!
- 建設業許可取得への道筋が見えてきた!
- なんとなく、ぼんやりと、許可取得の可能性があるような…
という方も多いのではないでしょうか?
そこで、このページの最後に、実際に行政書士法人スマートサイドが東京都建設業許可を取得した事例を掲載させていただきます。いずれも第2種電気工事の資格を使用して、無事、申請が受理された事例ですので、ぜひ参考にしてみてください。
本店所在地 | 内容 | |
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東京都 |
第2種電気工事士の資格を活かして、東京都建設業許可(電気工事業)を取得する方法ー申請実績を解説ー |
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東京都 |
電気通信工事と電気工事の建設業許可を同時に新規取得!電気工事士資格と電気科卒業経歴の活用方法を徹底解説! |
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東京都 |
電気工事業の建設業許可取得事例を徹底解説。「消防施設工事に電気工事を業種追加しました!」 |
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東京都 |
電気工事業の専任技術者を、第一種電気工事士から第二種電気工事士に変更。注意点とポイントを実例に沿って解説 |
(5)第2種電気工事士の資格をお持ちの方へ
上記の申請実績をご覧いただければ、わかるように、第2種電気工事士の資格だからといって、建設業許可を取得することができないということはありません。
たしかに、第2種電気工事士の資格の場合、第1種電気工事士や電気工事施工管理技士の資格と異なり、少しの工夫と粘り強さが必要です。電気工事の実績を証明するには、電気工事業の登録をしている会社での経験が求められるため、内装工事やとび工事の建設業許可を取得するのに比べて、難易度が高くなるということは否めません。
とはいえ、絶対に建設業許可を取得することができないか?というと、そういうわけでもありません。
もし、東京都の建設業許可(電気工事業の許可)を取得したいとお考えの、第2種電気工事士の方がいれば、ぜひ、下記問い合わせフォームから行政書士法人スマートサイドにご連絡をください。