工事経歴書(経営事項審査用)の書き方について

  • 経営事項審査を受けたいのだけど、工事経歴書の書き方がわからない
  • 経審の際に、工事経歴書の不備について指摘された
  • どうやったら経審用の工事経歴書を作成できるようになるの?

といったことで、お困りの方はいらっしゃいませんか?

ちょうど御社も、下記アニメの主人公のように、これから経営事項審査を受けて公共工事の入札にチャレンジして行こうと意気込んでいるところなのかもしれませんね。

工事経歴書は、建設業許可を新規で取得する際には、もちろんのこと、決算変更届の提出や、経営事項審査申請にも必要になる大事な書類です。おもに、発注者・工事の件名・施工場所・配置技術者・施工金額・施工期間の記載が必要になりますね。

実は、この工事経歴書は、「経営事項審査」を受ける時と受けない時では、書き方が違います。「経営事項審査」を受ける場合には『独特なルール』があるといった方が正確かもしれません。この『独特なルール』に従って「工事経歴書」を作成しないと、経営事項審査の場で、修正を求められたり、売上高が変わってきたり、再度提出をしなければならなかったりと、思いもよらない事態になってしまいます。

そこで、このページでは、経営事項審査申請の専門家である行政書士法人スマートサイドが、経営事項審査を受ける際の工事経歴書の独特なルールについてみていきたいと思います。

金額は消費税抜き

金額は消費税抜きで記載しましょう。

この点は、ご存知の方も多いかもしれません。経営事項審査に申請する際の、工事経歴書の請負金額、直前三年の施工金額、財務諸表はすべて、「税抜き」での記載が必要です。

経営事項審査を受ける際の工事経歴書の記載のルールとして、最も重要なルールといっても過言ではありません。

同じ経審を受けるのに、一方は「税込み財務諸表」他方は「税抜き財務諸表」といったような書類の作成の仕方をしていると、統一的で公平な審査を行うことができませんね。

そのため、経審を受ける際の工事経歴書は、税抜き表記で記載するように求められています。

記載の順番

1.まずは元請工事を!

経営事項審査を受けない場合の工事経歴書の書き方については、元請・下請に関係なく施工金額の大きい順に記載していけばよいです。しかし、経営事項審査を受ける場合は、まずは、『元請工事』について記載します。元請工事について、金額の大きいほうから元請工事全体の売上高の7割に達するまで記載します。

2.次に、元請・下請関係なく!

元請工事を元請工事全体の売上高の7割に達するまで順番に記載した後は、元請・下請に関係なく金額の大きい順に工事経歴を記載します。

3.経営事項審査の場で、証明が必要!

経営事項審査を受けたことがある人、または、経営事項審査について勉強したことがある人はご存知かと思いますが、経営事項審査の場では、上記1.2のルールに従って作成した工事経歴書をもとに、実際に工事を行ったことを『契約書』『注文書・請書』『請求書・入金通帳』で証明しなければなりません。経営事項審査の場に契約書などを持参して、審査担当者に提示して、1件1件金額などを確認していくという、なかなか骨が折れる作業です。

なお、県によっては、「上位3件」の証明で足りるところもありますが、東京都では「工事経歴書に記載した工事の上位5件」の証明が必要になります。

配置技術者について

1級の国家資格者が必要な場合

「配置技術者」とは、読んで字のごとく、工事現場に配置される技術者のことです。配置技術者には、「主任技術者」と「監理技術者」がいます。

発注者から直接工事を請負い(元請)、かつ4000万円(建築一式の場合は6000万円)以上の下請契約を締結する場合には、主任技術者ではなく、監理技術者を配置しなければなりません。監理技術者は原則として、1級の国家資格を持っている人しかなれません。

例えば、内装工事を発注者から元請の立場で9000万円で請負い、そのうち5000万円を下請に出したような場合、その工事現場の配置技術者になれるのは1級の国家資格を持った監理技術者です。そうであるにも関わらず、工事経歴書の「主任技術者」の欄に「✓」が入っていたら、工事経歴書の作成ミスか、建設業法に違反しているかのどちらかになってしまいます。

現場への専任が必要な場合

請負代金の額が3500万円(建築一式工事は7000万円)以上の工事については、工事現場ごとに専任の技術者を置かなければなりません。その技術者が他の現場の配置技術者になることはできません。

また、営業所の専任技術者は、請負代金の額が3500万円(建築一式工事は7000万円)以上の工事について、現場の専任技術者になることはできません。営業所の専任技術者は、あくまでも営業所での請負契約の締結に際して、技術的なサポートをすることを職務にしているからです。

たとえば、1億円の建築一式工事について、監理技術者になっているAさんが、期間が重なる他の工事の配置技術者になることはできません。営業所の専任技術者であるBさんが、4000万円の内装工事の配置技術者になることもできません。

工事経歴書を記載する際には、工期が重なっていないか?営業所の専任技術者を現場専任が必要な工事の配置技術者に記載してしまっていないか?などの、確認が必要です。

営業所の専任技術者が現場の専任技術者になれる場合は…

1人親方などの営業所の専任技術者が、現場の配置技術者になっても良い例外があります。その例外は、

  1. 現場専任が必要な工事(請負代金の額が3500万円(建築一式工事は7000万円)以上の工事)ではないこと
  2. 当該営業所で契約締結した建設工事であること
  3. 当該営業所が職務を適正に遂行できる程度近接した工事現場であること
  4. 当該営業所と常時連絡が取れる状態であること

のすべての要件を満たすことが必要です。

たとえば、請負代金の額が200万円の管工事であれば「1」の要件を満たすことになりますが、仮に、工事現場が大阪府内であったとしたら「3」の要件を満たさないため、業法違反ということになります。

東京都知事許可業者であるにもかかわらず、工事現場に「青森市」「大阪市」などの記載がある工事経歴書を見かけますが、東京都知事許可の事業者の「営業所の専任技術者」が、遠方の工事現場の配置技術者になることはできませんので、注意してください。

記載の不備について

工事経歴書の記載に不備が見つかった場合には

(1)「その他工事」への振り替え

工事経歴書の記載に不備が見つかった場合、単なる記載ミスなど、その不備の合理的な理由を説明できるのであれば、それに越したことはありません。

もっとも中には、「技術者の保有資格からして、どうしても上記のルールに合致しない」とか「そもそも上記のルールを知らなかったので、技術者の配置について意識していなかった」といった場合もあるでしょう。

その場合には、経営事項審査の点数算出に必要な「売上高」として計上することはできませんので、『その他工事』へ振り替えることが必要です。結果として経審の際に使用できる工事の売上高が少なくなってしまいます。

せっかく、〇〇工事で経審を受けようと思って、〇〇工事の売上高としてカウントしていたにもかかわらず、『その他工事』の売上高へ振り替えなければならないのは、残念ですが、工事経歴書の記載の仕方を間違えると、上記のような御社にとって不利な結果を招くことになります。

(2)決算変更届の訂正

上記のように、すでに提出している決算変更届の書類に不備が見つかったような場合には、決算変更届の訂正届(別紙8の訂正)の提出が必要になります。工事経歴書の金額だけの訂正で済めばよいですが、金額の修正が完成工事高にまで及べば、財務諸表の書き換えも必要になってきます。

大がかりな訂正ややり直しにならないためにも、経審を受ける際の、工事経歴書の作成は、経審独特のルールを理解したうえで、慎重に行う必要があります。

経審の準備がうまく行かなくて困っているという人へ

経営事項審査を受ける際には、「工事を記載する順番」「配置技術者の記載」について、さまざまな、注意が必要です。といってもかなり、わかりにくいですね。経審を何回も経験している人にとっては、基本的なことかもしれませんが、

  • まだ一回も経審を受けたことがない
  • これから初めて経審を受ける

というひとにとっては、とても難しく感じるかもしれません。

そんな時は、ぜひ、私たちのような専門家の力を借りてみてはいかがでしょうか?ご覧ください。行政書士法人スマートサイドには、さまざまな経審の申請実績があります。

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