入札参加資格における「無格付」とは
「入札参加資格を取得して、入札に参加したいと考えている。せっかくなので良い順位を取りたいが、工事の実績が多くないので、良い順位は望めないと思う。ただ、無格付けだけは避けたい。どうしたらよいでしょうか?」これは、お客様から実際に幣所によせられた相談です。
最高完成工事経歴
まず、入札参加資格申請をする際に、「順位格付審査に用いる最高完成工事(業務)経歴」という入力項目があります。過去、6年ないしは8年間の間に行った最高完成工事の経歴を入力するのです。具体的には、「施工都道府県名」「発注者」「着工年月日」「完成年月日」「請負金額」を入力します(都・他官公庁・民間それぞれについて)。
この最高完成工事(業種)経歴の入力がない業種は、無格付となります。
無格付となった場合には
審査結果通知書や競争入札有資格者名簿には「無格付」又は「X-0」と表示され、
- 一件の予定価格が500万円未満の工事の請負
- 一件の予定価格が30万円未満の設計・測量・地質調査の委託、船舶・ろ過層処理の請負
に限り、競争入札に参加することができます。
具体例
たとえば、御社が建築一式の東京都知事許可を持っていたとします。
この場合、状況にもよりますが建築一式の東京都知事許可を持っていることによって、「建築工事」「コンクリートプレハブ」「鉄骨プレハブ」「ひき家・解体」「石綿処理」「防音壁・しゃ音壁」「ガソリンスタンド」「強化樹脂板取付」といった多くの業種で入札参加資格を取得することができます(※注意※説明のため細かな要件を省略しています。)。
もっとも、東京都の建築一式の許可を持っているので、「建築物を建設又は補修する工事」いわゆる建築工事は何回もやったことはあるけど、「水処理施設及び汚泥処理施設からの悪臭を防止するため、ガラス繊維許可プラスチックの板で、施設の上部を覆蓋する工事」(=強化樹脂板取付)は1度も経験がない場合。
強化樹脂板取付といった業種でも入札参加資格を取得することはできますが、過去に経験がないので、実績なし=無格付となるわけです。
まとめ
無格付となってもいいからとりあえず、その業種で入札参加資格だけを保持しておきたいのか?それとも、無格付となるくらいなら入札参加資格自体必要ないのか?そのあたりは、まさに事業者様の判断になるかと思います。
たとえば、内装工事の建設業許可を持っている場合、「内装仕上」はもちろんのこと「畳」「石綿処理」「床仕上」「飛散防止工事」「放射線防御」といった業種で入札参加資格を持つことができます。同じ地域で「畳」で入札参加資格を持っている業者がいないなら、仮に無格付であったとしても、入札参加資格を持っておくことに意味があるかもしれません。
もし、ご自身がどの業種で入札参加資格を持つことができるかお知りになりたい場合にはぜひご連絡ください。