【初心者必見】建設業許可の経営業務管理責任者|証明の秘訣と成功事例

「建設業許可を取得できるか否かは、経営業務管理責任者(常勤役員等)の要件を証明できるか否かにかかっている」と言ってよいほど、経営業務管理責任者の要件の証明は、超重要事項です。この要件について、理解がないと、どんなに建設業許可を取得したいといっても、先に進むことができません。このページでは、「経営業務管理責任者の要件を満たすための2つの確認事項」と「実際に証明に成功した4つの成功事例」を解説し、経営業務管理責任者の要件について、わかりやすく解説させて頂きます。

✅ 執行役員は、経営業務管理責任者になることができるのか?

✅ 経営業務管理責任者の要件とは、何?

✅ 経営業務管理責任者の要件を証明する方法は?

✅ うちの会社の社長は、経管の要件を満たすのか?

✅ 経管の要件を満たす人を、取締役に入れようと思う!

上記の1~5のうち、どれか1つにでも当てはまる方は、ぜひ、このページに記載されている記事を参考にしてみてください

【1】経営業務管理責任者になるための『2つ』の確認事項

「建設業の新規許可を取得したい」と幣所にお問合せ頂くお客様のうち、実に9割のお客様が「経営業務管理責任者(常勤役員等)」の証明でつまづきます。これが、建設業の許可取得は難しいというゆえんです。

なかには、

  • すでに会社を立ち上げたあとに経営業務管理責任者の要件を満たしていなかったために、建設業の許可を取ることができなかったというケース
  • 取締役に招いた人が、実は、経営業務管理責任者の要件を満たしていなかったたために、建設業の許可を取ることができなかったというケース

もありました。以下では、経営業務管理責任者の要件について、自分で確認できる2つの確認事項を記載いたします。

【確認事項:その1】役員または個人事業主としての「5年以上の経験」

まず、自社又は他社で、取締役の経験が5年以上あることが必須です。この取締役の経験の有無については、「登記簿謄本」によって簡単に確認することができます。この「5年間」の「取締役の経験」を証明できない場合は、経営業務管理責任者の要件を満たしませんので、許可は、難しいかもしれません。5年の役員経験については、登記簿謄本で事前に確認をしてみてください。なお、出向取締役や執行役員であったとしても、経営業務管理責任者になるために必要な「5年以上の経験」に該当します。

仮に取締役の経験が5年に満たない場合、個人事業主としての経験が5年以上あることが必須です。法人の役員でなくても、個人事業主としての経験が5年以上あれば、経営業務管理責任者の要件を満たすことができます。5年以上の個人事業主としての経験は、税務署に提出している確定申告書で証明しますので、5年以上の個人事業主としての確定申告書があるか事前に確認してみてください。

さらに、個人事業主が会社を設立した場合によくあることですが、個人事業主としての経験と取締役としての経験が合算して5年以上になる場合、経営業務管理責任者の要件を満たすことができます。この場合も、個人事業主としての経験は確定申告書、取締役としての経験は登記簿謄本で証明しますので、事前に確認してみてください。

経験 証明書類
個人事業主 税務署に提出している個人事業主としての確定申告書
法人取締役 法務局から発行される会社の登記簿謄本

【確認事項:その2】5年間、建設業を継続して行っていたこと

登記簿謄本・確定申告書などから5年間の役員もしくは個人事業主としての経験を証明できた場合は、次に、「その5年の間に継続して建設業を行っていた」という証明が必要になります。「1年だけ建設業を行っていた」とか「一時期建設業を行っていた」とか、「少しの期間なら工事をやった経験がある」とかではありません。もちろん「システム会社の役員をやっていた」では、建設業を行っていた証明にはなりません。

自身が役員をしていた5年間、建設工事を「継続して」行っていたことの証明が必要になります。たとえば、以前取得していた「許可通知書の写し」があるとか、「5年分の契約書」、または、「請求書と入金確認できる通帳」が証明資料となります。

建設業許可の有無 証明書類(いずれも5年分)
建設業許可あり 許可通知書、申請書類・変更届などの副本
建設業許可なし 工事請負契約書、請書、請求書+通帳のセット

【2】経営業務管理責任者の要件の証明に成功した事例

1.20年以上まえの建設業許可証で経管要件を証明したケース

遡ること20年以上まえに、静岡県の建設業許可を持っていたお客さまが、当時の建設業許可通知書のコピーを持っていたため、経営業務管理責任者の要件を証明することができ、東京都の建設業許可を取得できたケースです。

(1)「取締役の経験」が「5年以上」あるかという点について

​​​取締役の経験については登記簿謄本で証明することになります。このお客様の場合、若いころに建設会社を経営していましたが、取締役であったのが申請時点から遡って20年以上も前であったため、静岡地方法務局沼津支部から手書きの登記簿謄本を取り寄せました。通常であれば九段下の東京法務局から登記簿を取り寄せればよいのですが、この事案の場合、過去にさかのぼっての証明が必要でしたので、過去の会社所在地の地方法務局の支部から登記簿謄本を取り寄せることになりました。

このように「登記簿謄本を取り寄せる」というと、いかにも簡単に見えますが、過去の謄本を取り寄せるには、一工夫必要です。20年以上前にさかのぼっての「取締役としての5年以上の経験」でしたが、閉鎖事項証明書を取り寄せることによって、無事証明することができました。

(2)「建設業を継続して行っていたこと」の証明

「5年間、建設業を継続して行っていたことの証明」については、会社経営当時の資料は許可証のコピー以外、なにも残っていませんでした。そのため、一時は許可をあきらめかけました。しかし、念のため、静岡県の建設業課に問い合わせをしたところ、偶然にも静岡県で建設業の許可を更新した事実を知ることができました。過去に、静岡県で建設業許可を取得したうえで、複数回、建設業許可を更新していたことの言質を取ることができたのです。

これにより、許可番号から、静岡県の建設業許可を取得した年を割り出し、お客様が実際に持っていた許可証のコピーの記載年月日と照らし合わせて、建設業許可取得年月日から5年以上継続して事業を行っていた事実を証明しました。「5年以上の間、建設業を継続して行っていたこと」が上記のような経緯で証明することができました。


この事案では、お客様が取っておいてくださった「静岡県での建設業許可通知証」のコピーの存在、および「静岡県への問い合わせ」を経て、経営業務管理責任者の証明をすることができました。とても難しい案件でした。


2.個人事業主経験者を自社取締役として招聘したケース

現在の役員だけでは、経営業務管理責任者の要件を満たすことができなかったため、個人事業主として建設業を営んでいた経験のある方を、自社の取締役として招き入れ、取締役就任登記と社会保険の加入手続きを経て、無事、東京都の建設業許可を取得できたケースです。

(1)要件を満たす人の「取締役」としての加入

​この事案では、会社を設立したばかりとあって、そもそも取締役の中に「5年の経営経験」を満たす人は誰もいませんでした。もちろんこれでは、「5年間、建設業を継続して行っていたことの証明」もできるはずがなく、経営業務管理責任者の要件を満たしません。このような場合には、

  • 5年間待ってもらう
  • 経験のある人に役員となってもらう

の2通りしか方法がありません。どちらの方法も、今すぐ、建設業許可が欲しいという方にとっては、難しい選択です。

もっとも、この会社の場合、たまたま、社長の身内の方で、個人事業主として20年以上建設業を営んでいる方がいらっしゃったので、その方に取締役として会社に参画してもらうこととなりました。個人事業主としての5年以上の証明は確定申告書で行い、その5年間、建設業を営んできたことの証明は、請求書・入金通帳で行いました。これにより、「役員または個人事業主としての5年以上の経験の証明」「5年間、建設業を継続して行っていたことの証明」が可能になります。

(2)司法書士・社会保険労務士との連携

経営業務管理責任者になるには、社会保険に加入してもらうのと同時に、役員就任の登記を行うことが必要です。この点について、社会保険への加入は社会保険労務士の先生に、役員就任の登記は司法書士の先生に、それぞれお願いをしました。

他士業との連携 必要事項
司法書士 経営業務管理責任者の取締役就任の登記
社会保険労務士 経営業務管理責任者の社会保険の加入

この事案では、お客様および他士業の先生とうまく連携をとることによって、初めての面談から、3週間程度ですべての書類をそろえることができました。「経験豊富な方を役員として迎え入れることによって、経営業務管理責任者の要件を満たし、許可を取得する」という難易度の高い事案でした。


他人を会社に招き入れて建設業許可を取得しようとする場合、取締役として登記簿に記載した後、社会保険に加入してた後になってから、『経管の要件を満たしていなかったので、やっぱり、建設業許可が取れませんでした』となってしまうリスクがあります。そういったリスクを避けるために、きちんと事前にヒアリングを行い、証明資料の精査を行い、「経営業務管理責任者(常勤役員等)の要件を満たすのか?」といった『建設業許可が取れる見込み』を立ててから、スタートすることを強くお勧めいたします。


3.情報公開請求を経て、5年の経験を証明できたケース

福岡県に情報公開請求をして「5年間、建設業を継続して行っていたこと」を証明し、東京都建設業許可を取得したケースです。

(1)情報開示請求をして資料の取得

この事案は、いままで経験した中で最も難しく時間がかかった事案でした。お客様から御相談を頂いてから、申請までに半年近くかかりました。

福岡県の許可業者の役員としての経験はあったのですが、その間の書類をすべて捨ててしまっており、証明するすべがありませんでした。これでは、そもそも建設業許可申請書を作成することができません。福岡県の建設業課に問い合わせても、全く取り合ってもらえず、過去の経験を証明する書類が出てこない以上、経営業務管理責任者の要件を満たすことはできず、許可の取得をあきらめざるを得ませんでした。最後の手段として、福岡県情報公開条例の手続きに従って、過去に役員経験のある会社の「建設業許可申請書類一式」の情報開示請求をすることにしました。お客様の役員の経験が2社にまたがっていたので、2社分を請求することになりました。

(2)取得した書類の判別作業

すると、膨大な開示書類の中から、「建設業許可申請書」のほかに、「廃業届を提出した日にち」が分かる書類を見つけることができました。「証明に役立ちそうな書類」と「そうではない書類」とに振り分けるのに大変苦労しましたが、これらの書類の確認作業によって、その会社の福岡県知事許可の許可日と廃業日を知ることができました。2社分の許可日と廃業届出日を合算すると、経営業務管理責任者の要件である5年以上の役員経験期間があったため、「5年間、建設業を継続して行っていたことの証明」に成功し、経営業務管理責任者の要件を満たすことが判明しました。その後、無事、東京都で許可を取得することができましたが、通常1時間程度で終わる審査に2時間近くの時間を要しました。


情報公開請求といっても過去のすべての情報を請求できる訳ではなく、現在からさかのぼって5~7年以上前の書類については廃棄してしまう場合もあるようです。また、情報公開請求後、実際に書類の存否を確認し、郵送で書類を送ってもらい手元に届くまで、3~4週間程度の時間を要しました。


4.執行役員としての経験・地位で経管となることができたケース

取締役としての経験がない執行役員としての5年の経験を使って、取締役にならず(役員登記をしないで)執行役員のまま、経営業務管理責任者になることができたケースです。

(1)「執行役員」としての経験が「5年以上」あるということ

​​​経営業務管理責任者になるには、通常、「取締役としての5年以上」の経験が必要です。「取締役」としての経験は、登記簿謄本で確認することができます。しかし、東京都の場合「取締役会設置会社」であれば、執行役員としての経験しかなくても、経営業務管理責任者になることができます。執行役員としての経験は、登記簿謄本では証明できないため「組織図」「業務分掌規程」「取締役会規則」「執行役員規則」「取締役会議事録」などで、実際に、その人が、執行役員として建設業部門の最高責任者に就任していたことの証明を行いました。

執行役員を経営業務管理責任者にする場合、東京都庁に事前相談が必要です。事前相談を経て、問題なければ、本申請の手続きに進むことができるという流れになっています。

(2)「建設業を継続して行っていたこと」の証明

経営業務管理責任者になるには「5年間、建設業を継続して行っていたことの証明」も必要です。このケースでは、経営業務管理責任者の候補になる人が、執行役員として建設業部門の最高責任者に就任していた期間の、「工事に関する請求書」+「入金記録」を使って、実際に「建設業を継続して行っていたこと」の証明を行いました。

工事請負契約書があれば契約書、契約書がなければ注文書、注文書がなければ請求書(+通帳の入金記録)で、「建設業を継続して行っていたこと」を証明します。経営業務管理責任者の要件を証明する際には、過去の書類がどれだけ残っているかも重要になってきます。


「執行役員としての経験を使って」もしくは「執行役員のポジションのまま」経営業務管理責任者になるというケースは、それほど、多くはありません。しかし、現在の経営陣(取締役)が、いずれも経営業務管理責任者の要件を満たしていない場合には、執行役員としての経験や執行役員としての地位を利用して、東京都の建設業許可を取得することも可能です。


【3】経営業務管理責任者の要件でお困りの方へ…

  • 経営業務管理責任者になるための『2つ』の確認事項
  • 経営業務管理責任者の要件の証明に成功した事例

の2つは、ご理解いただけましたでしょうか?

このページで記載した成功事例は、上記の4つですが、経営業務管理責任者(常勤役員等)の要件の証明には、さまざまなパターンがあります。もちろん、「取締役としての5年の経験」「その5年間の建設業を営んできた資料」をきれいにそろえることができれば、何の問題もなく、経管要件をクリアできます。しかし、全部が全部、そのような楽な案件ばかりではありません。

経営業務管理責任者の証明は、許可取得にとって一番重要な要素です。また、その証明には時間がかかるばかりではなく、行政書士としての知識や経験がものをいいます。経営業務管理責任者の要件を満たせば、許可取得は8割がた成功といっても過言ではありません。

行政書士法人スマートサイドは、建設業許可取得の専門家として、経営業務管理責任者の要件の証明を大変得意としています。御社の状況に合わせて

■ 経営業務管理責任者の要件を満たすのか?

■ 要件を満たすとして、どうやって証明すればよいのか?

■ 要件を証明するための書類は、どのような方法で準備すればよいのか?

■ 仮に経管の要件を満たさなかった場合は、どうすればよいのか?

といったことについて、最適なご案内をさせて頂くことが可能です。経営業務管理責任者の要件や建設業許可取得でお困りの際は、ぜひ、事前予約制の有料相談をお申込みください。

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