「より大きな金額の工事を施工したい」といったお客様から、「一般の許可を特定の許可に変更したい」(いわゆる「般特新規」)といったご依頼をよく受けます。このページでは、そんな方のために一般から特定に変更する際の注意点について、簡単に記載したいと思います。
「一般」と「特定」の違い
「特定許可と一般許可」というページにも記載しましたが、①元請の立場で②下請(一次下請)に4,000万円以上(建築一式の場合は6,000万円以上)の請負金額の工事を出す場合に特定の許可が必要です(消費税込)。自社が下請の場合、二次以降の下請に工事を出す場合には金額に制限がありません。また、工事をすべて自社で施工する場合にも金額に制限はありません。
特定許可の財産的要件
「特定の許可」は「一般の許可」に比べて、大きな施工金額の工事を扱うことになりますので、それだけ、許可取得のための財産的要件も厳しいものとなっております。具体的には、
- 欠損の額が資本金の20%を超えないこと
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金が2,000万円以上あること
- 自己資本が4,000万円以上あること
の4つの要件をすべて満たす必要があります。この4要件は、直前決算の決算報告によって判断されます。ここでもきちんと事業年度終了後4カ月以内に決算報告を行っていることが求められます。
専任技術者の要件
上記の財産的要件に加えて、「特定の許可」を取得する上で大きな関門は「技術者の要件」です。「特定の許可」は「一般の許可」より大きな金額の工事を施工する際に必要となります。大きな金額≒規模の大きな工事です。規模の大きな工事をするには、規模に見合った技術が必要ですので、技術者の要件も厳しくなるのです。
たとえば、土木一式で特定許可を取ろうとした場合、「二級建設機械施工技士」や「二級土木施工管理技士」ではダメで、「一級建設機械施工施工技士」や「一級土木施工管理技士」の資格が必要になります。建築一式で特定許可を取ろうとした場合も同様に、「二級建築施工管理技士」や「二級建築士」ではダメで、「一級建築施工管理技士」や「一級建築士」の資格が必要です。
まとめ
以上、「特定の許可」を取得するには、厳しい財産要件と技術者の要件をクリアしなければなりません。しかし、逆に言うとその要件さえクリアしていれば、特定の許可を取ることもさほど難しいことではないのかもしれません。一般から特定の許可に変更したいとお考えの方は、ぜひ、行政書士法人スマートサイドまでご連絡ください。